自分に厳しく、ミスを許さず、準備も抜かりなく、計画を遂行していく人はすごいと参照されもしますがその一方で息苦しさを感じさせます。
誰しも完璧なものを作り上げたいとは思うものですが、完璧でなければならないと思い詰めてしまうのが完璧主義の考え方で、行き過ぎると完璧主義故に行動に起こせなくなったり、他人にも厳しく当たってしまったりと、周囲も迷惑を被るようになりますね。
完璧を目指したいという向上心はとても素晴らしいものなので活かしつつ、完璧でなければならないという視野の狭さを手放すことができると、本人も周囲も楽になり却って効率や生産性が良くなります。
そこで今回は、完璧主義を適度に手放し良いところだけを残す方法を、具体例を交えながらお伝えします。
完璧主義すぎて周りが迷惑する人の7つの特徴
1 完璧主義はネガティブ思考を引き寄せると認識する
完璧主義は「完璧でなければならない」という思い込みのことですが、もう少し詳しく言うと「完璧な自分でなければ価値がない」という自分に対する思い込みのことです。
この思い込みがあると、
・完璧にできない自分は価値がない
・完璧にできない自分はダメだ
・どうして完璧にできないのだ
と自分を責めることに繋がっていき、ストレスを溜めやすくなります。
しかし、他人が絡んでいたり環境にも影響されたりして、完璧にできることはほぼないということを考慮すると、完璧主義の人はいつも完璧でない自分を責めているということになります。
そうしますと、完璧主義の人は常に「自分はダメだ」という思いを抱えていることになり、ネガティブ思考になってしまうのですね。
完璧主義を克服するためには、なぜ完璧主義がダメなのか、ということを理解しておくと克服しやすくなりますよ。
2 完璧主義は他人に対しても厳しくなり人間関係を構築しにくいと知る
完璧主義の人は他人に対しても厳しいと先述しましたが、当の本人はそのようなことは全く考えていないと思っています。
しかし、他人に対して怒りをよく感じるのは完璧主義の人の特徴で、なぜかというと他人がいい加減に見えて仕方ないからなのです。
自分はこんなにきっちり考えて行動しているのに。
そのような腹の内は他人も感じますから、完璧主義の人には中々気心知れた人間関係はできにくい傾向があります。
自分に許していないことは他人にも許せないものなので、まずは自分の完璧主義を少し緩めることを目標にするとよいですね。
3 「失敗した」と思った時の考え方を意図的に変える
完璧主義の人は失敗することが「自分の価値が暴落する」と直結してしまっていますので、失敗を極度に恐れますし、失敗したくないために行動を起こさないという本末転倒なことすらやってしまいます。
「もうダメだ」というとそこで思考も行動も止まってしまい、何も得られませんが、「どうすれば切り抜けられる?」というと思考も行動も止まることなく、建設的な感情を保つことができます。
これを繰り返していくと、自分の予定通りにいかなかったときの対応力、つまり柔軟性を獲得することができ、さらに繰り返していくと、自分の予定通りにいかないことが失敗ではないということを経験として知ることができます。
つまり、ポジティブに向かう口癖を身に着けていると、結果的に「失敗」というものが減っていき、柔軟性も身につくといういいこと尽くめですよ。
4 100点を目指しても、70点でもいいか、合格と思う柔軟性を身に着ける
完璧主義の人が最も欠けているのが「柔軟性」ですが、「柔軟性」を身に着けるための思考法を練習しましょう。
完璧主義の人は100点しか認められませんし、場合によっては100点でもダメで120点でないとダメだと思っています。
ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
・なぜ100点でないといけないのか
・100点が出なかった時どうなると思っているのか
ここを考えてみると、計画の達成内容ではなくて、「自分のプライドが許さない」「自分の価値が下がる」という自分の評価につながるのです。
完璧でないと自分の評価が下がると思い込んでいるのですが、それは本当でしょうか。
完璧に物事をこなす自分が評価されると思っていると、それを求められる環境ばかりを選んで渡り歩いてしまいます。
あなたそのものではなく、完璧に物事をこなすあなたしか評価されないのは、おかしいと思いませんか。
人が成しえたことと、その人の価値を結び付けているからそのような考えになってしまって苦しくなるのです。
本来はその人は生まれてきただけで価値があり、成しえたことでその価値は変動しません。
100点のあなたも70点のあなたも30点のあなたも同じように価値がありますから、物事の達成度合いと自分の価値を切り離して考える思考に転換しましょう。
どう転換したらよいかということについて、達成したい優先順位をつけて、その順位の高いものから達成すると良いですね。
ある程度の順位を達成できれば目的をほぼ達成できると知ると、100点でなくても大丈夫なのではないかと知ることができ、柔軟性を少しずつ獲得することができますよ。
5 完璧主義のいいところだけ残す
ここまで完璧主義を克服する方法をお伝えしてきましたが、完璧主義にもいいところがあり、これは長所として残すと自分が仕事をする時などにとても重宝します。
・仕事が丁寧
・細かいところに気が付く
・段取り上手
これに、優先順位を付けて優先順位の高いものからある程度をこなせばOKとする、という柔軟性が身につくと大事なところは押さえていながら楽に仕事をこなすことができ、ストレスがたまりにくく健康的になれますよ。
6 完璧主義の悪いところは手放す
逆に完璧主義の悪いところは積極的に手放しましょう。
・完璧にできない自分を価値がないと考える
・完璧にできない自分を責める
・完璧にできない自分に落ち込む
・完璧にできない自分にイライラする
これらの共通点は、物事の達成度が自分の価値に直結していることです。
例えば失敗した時に失敗した原因を振り返って改善することは必要ですが、自分を責めるだけでは何の改善にもなりません。
もちろん失敗することはショックなので、ある程度の自分責めは合ってもいいのですが、自分責めで終わってしまうのが完璧主義の人の特徴でもあります。
自分を責めて物事が解決することはありませんから、失敗と自分の価値をくっつけて考えることは少しずつ手放していきましょう。
7 完璧を目指すことは非効率であると知る
完璧主義の人は99点でも納得することができず、100点を目指そうと自分を律したり厳しくしたりやることを増やしたりします。
しかし、結果として99点と100点はどのような違いがあるでしょうか。
そして大事なのは、99点を100点にするために捨てているものがたくさんあることなのですね。
時間や労力を99点を100点にするためにたくさん費やしますが、その時間や労力は別の仕事に振り分けると80点の結果を出すことができるかもしれません。
完璧を目指すのは自己満足以外の何物でもなく、非効率なのです。
自己満足が許される場なら良いのですが、他人と共同で行う仕事ではそうではありませんよね。
自分の仕事は何を求められているのか、押さえどころはどこなのか、というところからクリアしていって、突き詰めたくなってしまったら他人に意見を求めるのも客観的視点を得ることができて有効ですよ。
完璧主義の人は意外に自分が完璧主義だとは気づいておらず、むしろ当たり前だと思っている場合も多くあります。
その時の見極めポイントは「他人に対して怒りを持っているか」ということで、自分にいろいろな課題を課して厳しく接していると、いい加減にしているように見える他人が我慢できなくなり他人にも厳しく接します。
好きで完璧主義をやっている人は、好きでやっているので他人は気になりませんからね。
自分が完璧主義であると気づいたら、直そうとするのはいいのですが、ここでも完璧主義が出てしまうことがあります。
つまり、完璧主義を完璧に治せない自分を責めるのですね。
心の癖というものは、気合などですぐ変わるものではなく、根気強く気づいたら直す、気づいたら直す、と繰り返しているとある日「あれ?そういえば以前ほど完璧主義ではなくなった」と気付くものなのです。
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